神戸新聞を読んでてふと目に付いた記事。
明石のかはりメーカーの『大和製衛』という会社が魚の鮮度を測定出来る装置を作ったらしい。しかも国内初。
これにより明石浦漁協が明石産のスズキをブランド化させようというのだ。
鮮度測定装置うんぬんと言うのは専門知識があるわけではないのでよくわからんが、気になったのは鮮度測定装置ではなくスズキのブランド化の話し。
明石の魚ブランドと言えば全国で知名度の高い『明石鯛』『明石蛸』『アナゴ』『ナゴイカ』と種類は多いが更に『スズキ』とは。
【記事内容】
この記事によるとスズキは兵庫県が千葉県に次いで全国2位の漁獲量があるらしい。
漁獲量日本一は東京湾。全国でとれるスズキの4割が東京湾で水揚げされたもので、その東京湾でとれるスズキのなかでも一番おいしいと評価が高いのが千葉県の船橋のスズキ。その船橋市が全国の割合で25.8%漁獲量1,850tで漁獲量日本一なのです。
築地では船橋スズキとしてブランド扱いされるほどだそうで、2015年に「千葉ブランド水産物」を取得した「瞬〆」スズキが全国に出荷されています。
何故に東京湾が漁獲量日本一なのか。
それは東京湾がスズキの貯蔵量世界一と言われているからで、何故にそんなに東京湾にスズキが多いのかと言うと、一時期スズキは禁漁していた時期があり、その間にストックを爆発的に増やしたと言われています。
更に東京湾の神奈川側から湾奥と千葉側の3点を産卵~ぐるりと回遊した周期が確立出来ているからがスズキの多い理由とこ事。
船橋の「瞬〆」スズキ
『船橋の瞬〆スズキ』は旬の時期である5~10月に獲れた、型(1.6~2.4kg)、色、艶の良質なものだけを厳選し、一晩活け越したのちに、活〆(血抜き)・神経抜きすることで鮮度と旨味を長く保つと言うもの。
その瞬〆スズキが時間の経過とともに変化する味わいを楽しむことができ、最初は歯ごたえと食感、次に魚本来の旨み、最後は熟成した旨みが味わえるの醍醐味らしい。
まとめると、旬に獲れたスズキを『瞬〆』にして鮮度が落ちて行く過程も美味しく頂けますと言う事ですよね。
瞬〆とは
スズキの頭と尾びれに素早く包丁を入れ、血抜きをする。これで臭みを抑えることができるが、そこに酸素ボンベで空気を噴射し、脊髄神経を一気に抜き取る。血抜きした魚の神経を空気で瞬間的に抜き取ることで、鮮度を保つ。一瞬で〆ることから《瞬〆すずき》と呼ばれているのだ。《瞬〆》は捕れたての状態が3日間も維持できるという。
明石のスズキ
これに対抗すべく明石のスズキ。果して対抗出来るブランドとなりえるのか。
記事によると明石近海のスズキは、早い激流で身が締まり、豊富な餌を食べて味が濃いと言う事。だとすると明石の海で獲れた魚は早い激流で揉まれてるから皆そうなるとのではないか?と思ってしまうがこの際は置いときましょう。
漁獲量はと言うと割合は全国の10%、漁獲量719tで漁獲量2位です。
一位の船橋市とは約3倍の差がついており2位以下は数字的に見るとスズキは全国的にまんべんなく捕れてる事が想像出来る。
ちなみに明石ブランドの『明石鯛』『明石蛸』も漁獲量は全国1位ではないのだ。
その中で全国に評価が高いのはやはり明石海峡が育てた質なのだろう。
そう考えると明石のスズキも全国ブランドになりうる可能性はある。
船橋スズキが締め技術でブラントなら明石は質で勝負となるが、記事内ではそれプラス鮮度測定装置(フィッシュアナライザプロ)で鮮度と脂肪率を明確に示す事により今春から特選品として出荷を目指すとの事。
ちなみにこの鮮度測定装置(フィッシュアナライザプロ)は改良型で初代は測定装置(フィッシュアナライザー)と言う物。この初代装置は魚の脂乗りを数値化出来ると言う代物。この測定装置を使って脂乗りの良い明石鯛を「特選品」として出荷する事により『明石鯛』のブランド化に成功している。スズキに使う今回の装置は更に鮮度も数値化できると言う。
これだけで見ると勝てる勝算は非常に高いのではないかと思う。
そこで思うのだが、今は大衆魚であるスズキが全国ブランドになれば、我々地元陸っぱりアングラーにとっては『鯛』や『蛸』に比べると釣果は上がりやすい魚種であるからブランド化は朗報になるのだが、消費者からするとその内に価格は上り、大衆魚から格上げされ、地元民でさえ手を出しにくい魚となるのではないだろうか。
そのような一抹の不安がよぎる。
私が考えすぎなのか?
是非に、明石浦漁業組合さんには頑張って頂きたい。
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